CSS Nite in Osaka, vol.51 開催レポート

CSS Nite in Osaka, vol.51 開催レポート

2019年5月18日(土)に開催した CSS Nite in Osaka, vol.51「Photo & XD Direction」は、 写真撮影を含むグループワークを通じて、自分で撮影する際やカメラマンに撮影依頼をする際に、どのような点に注意して撮影作業を進めていく必要があるのかを体感するためのワークショップ形式の内容でした。

今回の会場は、大阪メトロ本町駅から徒歩1分の「中央会計セミナールーム」さんです。
セミナー当日の様子をレポートします。

オープニング

オープニングは、CSS Nite恒例のプレゼントタイムからスタートです。

まずは、今回登壇いただく、鍋坂 樹伸(コマーシャルフォト サン・スタジオ)さんと、恒例のあいこじゃんけん。 勝ち残った方にAdobeのレジャーバッグが贈呈されました。おめでとうございます!!

あいこじゃんけんの様子

Session「Photo & XD Direction」

「Photo & XD Direction」に登壇いただくのは鍋坂 樹伸(コマーシャルフォト サン・スタジオ)さんと、司会進行も務める松下 絵梨(ツキアカリ)さんです。
前半は、撮影の観点についてを鍋坂さんに。それをウェブページに落とし込むための流れについてを、後半、松下さんにお話しいただきます。

鍋坂さんは香川県在住のプロカメラマンとして、食品・化粧品・洋服・人物・風景など、さまざまなジャンルの撮影に対応されています。その他、企業の広告活動のディレクションや撮影アドバイス、専門学校での講師など多岐にわたる活動をされています。簡単に自己紹介と本日の予定をお話しいただき、セッションのスタートです。

登壇する鍋坂樹伸さん

1.写真撮影テクニック概論

まずは、「そもそも、なぜ写真は必要なのか?」という問いからスタート。
その答えは、「写真は、言葉よりも分かりやすく、瞬間的に伝えることができる」ということであり、それを踏まえたうえで、「何を伝えるのか、どう伝えるのかが重要だ」と鍋坂さんは話されます。

そもそも広告写真は「イメージ写真」と「説明写真」の2つに大別される。
この2つの違いを説明いただいた上で、『カメラマンの立場からは、まずは「イメージ写真」と「説明写真」のどちらを撮りたいのかを聞きたい。まずはこれを明確にしてもらうことが重要。自分で撮影するにしても、カメラマンにお願いするにしても、まずはここの部分を整理することが必要不可欠です。』と希望の写真を撮影するための最低限整理し、伝えるべき事柄についてお話がありました。

そして、具体的な撮影テクニックとしては、「構図」「明るさ」「色」この3つをおさえることがポイント。また、三脚や水準器、レフ版は必須道具とお話しされます。
様々な技術が進歩していても、長方形の紙を長方形に撮影できることが歪みのない写真を撮るための必要不可欠な技術で、そのためにこれら道具は必須と話されます。さらにカメラ任せに撮影するのではなく、得意な撮影モードを身につけ、「なんとなくよい写真が撮れた」ではなく、狙って撮ることができるように撮影技術向上を図ることが重要と加えられました。

2.グループディスカッション

本日のセミナーでは、カメラ撮影を行うグループワークショップを行います。
進行を松下 絵梨さんに代えて、まずは5つのグループに分けます。同じグループとなった方々と、名刺交換からスタートです。

同じグループメンバーと挨拶する様子

そして、事前に参加者に伝えられていた課題を改めて説明します。
本日のグループワークでは、「淡路島のオレンジとはちみつをふんだんに使ったマーマレードを、ウェブで販路拡大したいカフェオーナーからの依頼」という想定で、新しく作成する販売サイトのスライドショーで使用する写真を撮影すること、顧客のペルソナなどについて説明がありました。
マーマレードのラベルは、今回のセッションのために、松下さんがオリジナルでデザインしたものということですよ!!

課題説明を行う松下絵梨さん

そのうえで、どんな写真を撮影するのが好ましいのか、各グループでディスカッションを行います。
事前宿題「どんな写真が適切か」などについて考えてきた内容や、それぞれが持参した撮影小物などを踏まえて、グループで撮影する写真イメージを固めていきます。今回は屋内と屋外で撮影するので、屋内と屋外でどのような撮影を行うのかについてもすり合わせていきます。

各グループでディスカッションする様子

事前に考えてきたイメージ絵コンテ

3.撮影実践(室内)

ある程度すり合わせができたら、室内での撮影から開始。
今回は自然光を利用しての撮影です。(講師からは分からないうちから高価な照明機器を揃える必要性はないと写真撮影テクニックに関する説明の中で話がありました。)
撮影物の位置やレフ版を使いながら試行錯誤し、ディスカッションですり合わせた内容に即した写真になるように調整していきます。

このレポートページを記載させていただいている私も、いち参加者としてグループに交じって写真撮影を行わせていただき、持ってきた小物をどう配置し、レイアウトするのか、ごちゃごちゃしすぎていないかなど、グループメンバーと意見交換しながら進めましたが、難しかったです。
カメラ初心者の私は、事前にイメージしていた写真にはなかなか近づけることはできませんでした。

時間に限りがあるので、満足いく写真が撮れた人も撮れていない人も、室内ので撮影は40分程度で終了。次は屋外での撮影です。

室内撮影の様子

撮影のアドバイスをする鍋坂樹伸さん

4.撮影実践(屋外)

屋外撮影は、セミナー会場から徒歩5分程度のところにある「靭(うつぼ)公園」に移動です。
うっすら曇り空ではありますが、写真撮影においては、ちょうどよい光具合だということでした。
ピーカン(快晴)ももちろんよいが、光がきつくなりすぎると反射や影もきつくなるため、撮りたい写真のイメージによってはそぐわないこともあるということです。

靭公園の様子

ちょうど薔薇が満開の時期で、このシチュエーションと商品を活かしてどのような撮影をするのか、再度、試行錯誤です。
芝生を活かしたり、咲いている薔薇を背景に映り込ませたり、ピクニックのイメージで撮影したりと、グループによって撮影する場所も様々です。チームそれぞれ、30分の限られた時間の中で、撮影を行いました。

公園で撮影する参加者

5.XDセッション

屋外撮影を終え、セミナー会場に戻り、少し休憩を挟み、再スタートです。
撮影してきた写真を、「Adobe XD」を使用して、画像を埋め込むために、松下さんからAdobe XDの使い方について説明です。

AdobeXDで画像の入れ方を説明する松下絵梨さん

コンポーネント機能を使って、1か所の修正で複数個所の画像が自動で変更されるように作られているなど、配布されたファイルの構成についても説明。

Adobe XDで作成されたウェブページのワイヤーフレーム

作業の仕方を理解したところで、参加者それぞれが撮影した写真を、自分のパソコンで画像差し替えを行っていきます。撮影した写真の明るさなど、画像調整を行ってそれぞれ作業を進めました。

パソコンを操作する参加者とアドバイスする松下絵梨さん

作成したものを共有するグループメンバーと鍋坂樹伸さん

こちらは参加者の方が作成されたスライドを動画撮影させていただいたものになります。
とてもきれいなスライドが出来上がりました。

6.まとめ

一通り、Adobe XDでの画像埋め込み作業を終えて、本日のセミナーのまとめとして、改めて鍋坂さんが登壇です。
「本日のグループワークを通じて、仕上がりイメージを共有することや、事前準備、明るさや構図を考え撮影することの重要性を感じていただけたのではないだろうか。」という問いかけ。
「写真をどういう目的で使用するのかによって、撮影すべき写真は全く変わってくる。また、小物など、ないものは撮れない。そのために、事前準備も含めてプランを考えることが大切なのだ」と改めて準備の重要性について話がありました。

では、準備が万全だったら、狙ったものが取れるかといえば必ずしもそうとも言えません。「しかし、準備していなかったら、やはりないものは撮れないのだから。準備はしておいたうえで、狙ったものと違ったよいものが撮れたらそれはそれでよいという形で思っておくのがよい」と考えている。ということで、撮影に際しての準備の重要性を改めて強調されました。

事例を紹介する鍋坂樹伸さん

次いで、鍋坂さんが写真撮影のティーチングを行っている会社の事例を紹介いただきました。
ウェブページの写真を、社内のスタッフで行えるように、撮影技術などをティーチングした結果、売上300%以上増加したアパレルメーカーや、インスタグラムへの投稿写真を通じてウェブページへ流入してきた数が、それまでのウェブページ流入数と同数程度に上るようになったケースなど、写真の効果についてお話しいただき、セッションを終えました。

最後に

最後に、もう一度、プレゼントタイム。
鍋坂さんの著書『Web制作と運営のための写真撮影&ディレクション教本 段取りから準備、撮影テクニック、実践ポイントまで』(マイナビ出版)をかけて、あいこじゃんけんです。
勝ち残った方、おめでとうございました!!

あいこじゃんけんをする鍋坂さん

セッション後は、これも恒例の懇親会です!! セミナーでは聞けなかったことや、まったく関係ないこと、参加者同士ざっくばらんに話をして交流を広げています!!是非、懇親会もご参加くださいね!!

懇親会の様子

report by 温湯 拓也

アンケートでいただいたご感想

全体を通しての感想

セッションの感想

ツイッターまとめ

次回予告

次回は9月7日に【CSS Nite in Osaka, vol.52】を開催予定です。
テーマ:モダンコーディング
出演:松田 直樹(株式会社まぼろし)、鹿野 壮(株式会社 ICS)
詳細は準備中のため、決まり次第、Facebookイベントページでお知らせします。

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